今回は、重度知的障害者を弟にもつ私が、幼少期に悩んでいたこと・嫌だったことを綺麗事なく本音で話していきたいと思います。
この記事では私と同じように障害のある兄弟をもつ人が、こんなモヤモヤした気持ちを持つのはダメなことなんだと無理に自分を抑え込むのではなく、そんな気持ちも共感して自分を認めながら、少しでも前向きになってもらえるように。
しょうがいのある子供と普通の子供の両方を育てているパパ・ママ達が「きょうだい児ってこんなこと考えているんだ…」と気づくきっかけになればと思います。
青年期に嫌だったこと4選!
1、自分の私物を荒らされる
思春期にもなって弟に自分の私物を荒らされるのはやはり嫌でしたね。
ペンを噛み潰されたり、メモ帳、ノートをぐちゃぐちゃにされたり。
毎回自分の部屋に鍵をかけるのも面倒だったし、鍵をかけ忘れて私物を荒らされても「鍵をかけなかったのが悪い」と言われてしまえばそこまでなので…。
2、自分が結婚できるかどうか不安
障がいのある兄弟がいることで、好きな人ができても結婚できなかったらどうしようという不安は常にありました。
本人達がよくても家族に反対されたらどうしようという不安は、年ごろのきょうだい児にはあることではないでしょうか。
3、体が大きくなった弟のパニック。
小さい頃はパニックになっても大人の方が力も強いので抱っこしてその場を立ち去るなんてこともできましたが、中学生以上になるともう手がつけられません。
人前でも大声で暴れ回る弟を、怪我をしないようにひたすら見守るしかないのです。
この頃にはもう恥ずかしいと言う気持ちより、
「物を壊さないで……怪我させないで…怪我しないで…」と言う気持ちでした。
4、将来の不安、親亡き後。
私は障がいのある弟と2人兄弟でした。
なのできょうだい児は私だけです。
親がいなくなってしまった後、私は弟の面倒を見ないといけないのか…その時私に家族がいたらどんな生活になるのか…。
普通の生活がしたい…そう思ってました。
どうやって解決したのか?
1、嫌なことの解決方法(現在)
嫌なことから逃げる勇気・距離をとる勇気をもつ。
正直、思春期のこれらの気持ちはなかなか解決できる物ではありません。
ただ、嫌なことからは逃げてもいいし、不安は誰かに相談したら和らぐこともあると思います。
「自分の私物を荒らされるのが嫌」なら部屋の鍵をにかけれる何かに変えてもいいし、パニック時、見ていられないなら親に任せてみてもいい。(私はそうしてました…)
いつも良い子でいる必要はないと私は思います。
実際、私は中学生〜高校生の時は本当に家にいるのが嫌で、家にいる時は部屋に閉じこもっていました。
でもそれって、普通の兄弟でも思春期にはあり得ることですよね?
きょうだい児だから面倒を見ないといけないということはないと思います。
嫌なら嫌だと伝える勇気と、距離をとる勇気ももって欲しいです。
誰のためでもない。きょうだい児にはきょうだい児の人生を歩む権利があります。
2、不安なことの解決方法(未来)
単純に不安があるなら素直に相談してみてください。
私は結婚できるかどうか不安だと母に相談したことがありました。
その時母は、
「弟のことを負担に思って我慢する必要はないよ。お母さん達がいなくなったら、弟一人で寂しいだろうからたまには会ってあげてほしいけど…。でもあなたにはあなたの人生があるから自由に生きたらいいよ。ただ、お母さんは家族がバラバラになるのは嫌だから、できればそんなこと気にしないような人と結婚してほしいな」
これを聞いて私は
「あ。そうか。障がいのある兄弟がいるから結婚したくないなんて言う、心の小さい人と結婚しなくてもいいや。私は私の人生を自由に生きたら良いんだ。
大人になった時、弟の面倒がみれるならみるし、みれないなら…仕方ない。」って思いました(笑)
まとめ
思春期の「嫌なこと」は周りにはなかなか解決してあげることはできません。
そうでなくても難しい思春期。
しょうがい児だから特別というわけではないのかもしれません。
しょうがい児本人が障がいと向き合うか、距離をとる勇気を持つか。
距離を取っても、嫌なことを嫌だと言っても、ちっとも悪くありません。
距離を取ることで見えてくることもあるし、時間が経てばわかることもある。
きょうだい児も一つの人生の主人公。
きょうだい児が、自分の気持ちに素直に生きられる、そんな環境であってほしいなと思います。
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